台風で雨樋から雨水があふれて雨漏りになった。
そんな被害にあわないために、雨樋の点検をおすすめします。
普段ついつい見逃してしまう地味な存在の雨樋ですが、室内の雨漏りを調べていたらじつは雨樋の不具合でオーバーフローしていたことが原因だったということがあります。
建物を雨から守るという、雨樋の機能が果たせないと起こるダメージは意外に多いのです。
外壁に雨水が伝ってしまうと、防水性が短期間でなくなっていくので壁が雨水を吸収してしまうようになります。
吸収しては乾きを繰り返すうちに、クラック(ひび割れ)も起こりやすく雨水が侵入していけば雨漏りにつながります。
他にも、
・雨樋から漏れた雨水が、下屋根の同じ場所に落ちていくことで屋根のわずかな隙間から雨水が侵入して雨漏りになった。
・不具合でオーバーフローとなって勢いよく地面へ雨水が落ちて、跳ねた泥水で基礎が汚れて傷み大掛かりな工事が必要になった。
・雨水が落ちてくる部分の地面に轍ができてしまった。
・2階から漏れて落ちる雨音が、うるさい。
これらが多く聞かれる雨樋の不具合による被害です。
雨樋の歪み、変形、割れ、欠け、穴あき、漏れるなどに気づいたら早めに専門の業者に点検を依頼しましょう。
雨樋の寿命は約20年〜25年です。
これは何もしなくても20年くらいはもつということではなく、お住まいの環境や自然災害での被害の程度などで、塗装や補修、交換が必要になってくるのです。
一般的な雨樋は、塩化ビニール製のものがほとんどです。
雨樋は常に雨風にさらされ、紫外線を受け続けると化学変化で色あせしていきます。
この色あせが劣化のサインで、柔軟性があった塩化ビニールは徐々に固くなっていき、やがて割れや欠け、変形しやすい状態になってしまいます。
日当たりの良い場所であるほど、劣化は進みます。
紫外線や熱を受ける時間が長い南や西側に設置してある雨樋は、どうしてもその影響が大きくなるのです。
色あせがあっても、際立って大きな不具合のない軽度な状態であれば、塗装を施すことで強化され寿命を伸ばすことが可能です。
また不具合が出ていても、雨樋はつなぎ合わせているので傷んだ場所だけの部分交換ができます。
それでは、部分交換の事例を見ていきましょう。
軒樋の交換をおこないます。
軒樋は鼻隠と呼ばれる、屋根の軒先部分に設置します。
屋根に落ちた雨水を一手に引き受け、外壁への雨水伝いを防止する重要な役割を果たしています。
まずは、集水器へ雨水が集まるように勾配をつけていくための糸を張ります。
当たり前ですが、水の流れを作っていくのですから集水器から一番遠い場所を高くして、傾斜させていきます。
糸をガイドラインにして、雨樋金具を取り付けていきます。
奥に見える雨樋が、集水器に集まった雨水を排水していく縦樋に繋がっていく部分です。
金具に雨樋を設置してきた継ぎ目部分です。
ここに集水器を取り付けます。
集水器が取り付けられました。
縦樋へしっかり接続したら完成です。
完成後は少量の水を流して、水の流れを確認します。
軒樋交換の施工が終わりました。
近年の台風や集中豪雨の被害は大きくなるばかりです。
自然災害が起こる前に雨樋の不具合を解消しておくことが、何より大事だということがおわかりいただけたでしょうか。
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