入間市の方は知っていますか?沖縄の屋根はなぜ赤いのか?
赤い屋根が見事な火災前の首里城です。
この赤瓦は「琉球瓦」とも呼ばれています。
首里城は沖縄戦を含め、過去4度も焼失と再建を繰り返しました。
復元された首里城は18世紀以降をモデルとしていて、その際にも琉球瓦が使われ 2000年12月には世界遺産にも登録されました。
昨年10月火災が発生し跡形もなく焼け落ちてしまいましたが、沖縄の象徴でもある首里城の復元に多くの人が関わり2026年の完成を目指しています。
首里城をはじめとして沖縄では多くの家が、この琉球瓦を使っています。
青い空と青い海によく映える赤い琉球瓦の屋根ですが、実は初めから赤いわけではなく 塗装をしたわけでもないのです。
沖縄南部でとれる「クチャ」という泥岩を使っていて、このクチャは鉄分を非常に多く含んでいて この鉄分が酸化すると赤くなるのです。
「酸化焼成」という方法で焼き上げるのです。
琉球瓦が沖縄で多く使われている最大のメリットは「台風に強い」ということです。
台風王国とも言われる沖縄では猛烈は暴風が何度もやってきます。
瓦を葺いて並べるだけでは吹き飛ばされてしまいます。
そこで考えたのが漆喰の使用です。
琉球瓦には女瓦(ミーガーラー)と男瓦(ウーガーラ)の2種類があり、屋根面に床板を張り軒先から大棟に向かって女瓦を垂直に葺きます。
女瓦を重ねながら2列葺くと間に隙間ができるので、その隙間に男瓦を葺くことによって屋根裏に雨水が落ちないようにしています。
この男瓦の側面と継ぎ目に漆喰を塗ります。そうすることで台風の被害を最小限に抑えることができたのです。
またこの琉球瓦には副産物もあり通気性が非常に高く、通気性も高いので屋根の木構造を湿気から守り 沖縄特有の強烈な日差しによる建物の温度上昇を和らげる効果があるのです。
沖縄の青い空と海に、赤い瓦と白い漆喰のコントラストがよく映えるのは見た目の美しさとともに機能にも優れた琉球瓦。
沖縄の人たちが生み出した厳しい風土に最適な瓦なのです。
この琉球瓦の丸い形状が元祖となって今では様々な洋瓦が街のあちこちで見かけるようになりました。
眼下にはどこまでも続く青い海、一度は憧れるスペインの家です。
地中海沿岸の建物の特徴として上げられるのが洋瓦の家並みが思い浮かびますね。
この家並みの屋根に使われているのが「S形瓦」です。
その名の通りスペイン発祥の瓦で、大正時代に西洋建築とともに伝わり、日本で考案されたもので 土や粘土を成形し素焼きにして作られています。
S字型のような形をしていますが「S形瓦」の「S」はその形状からではなく、Spanishの頭文字の「S」からとったものなのです。
赤みがかった土色はスペインの大地を思わせる力強さがあります。
西洋由来の瓦は数あれど、どの瓦よりも凹凸がはっきりしているので立体的で高級感があります。
他の屋根材に比べ明るい色が多いので、洋風のお洒落な家を表現できることからデザイナーズ物件でも多く取り入れています。
「混ぜ葺き」といって何色かの瓦を混ぜて葺くこともできて、濃・中間・淡と3色を混ぜると、グレードアップしたお洒落な屋根になって人気です。
フランス発祥の「F形瓦」
最も古くから使われてきた瓦で、凹凸が少なく平らな形状から純和風や近代的なデザインの家にもしっくりくるのが「F形瓦」です。
こちらもフランスの頭文字からとった「F」かと思えば、そうではなく「Flatな瓦」の
「F」なのです。
なんともややこしい名前のつけかたです。
「F形瓦」はフランスから輸入した当初は長方形の瓦でしたが、その後日本で独自の進化を遂げ現在では正方形に近い形になっています。
F形瓦の特徴は名前そのもので凹凸のない平らな板状の瓦で、形状から「平板瓦(平板瓦)」と呼ばれることもあります。
落ち着いた暗めの色で重厚感のある家を演出します。
純和風の家やモダンなデザインの家に向いています。
[M形瓦]
凹凸が少なく屋根の主張が大きくないのが特徴。
半円を重ね合わせた波型の瓦でその形が「M字」になっていて、この形状はF形瓦の進化とも、M形瓦の進化とも言われています。
S形瓦よりは控えめな印象の瓦です。
日本の戸建てに一番多い和洋折衷の家に向いています。
外壁の下半分が板張りで漆喰の塗り壁にもよく合います。
瓦の形状はさまざまですが、和瓦でも洋瓦でも屋根の葺き方は同じです。
野地板に防水紙をはり桟木を設置して瓦を固定していきます。
葺き方は同じなので
現在のお住まいの和瓦から同じ施工で洋瓦にすることもできるのです。
洋瓦に葺き替えてイメージを変えることを検討されているのなら
地震や台風に強く、お手入れも楽な瓦にしてみませんか
洋瓦にはセメント瓦と粘土瓦の2つがあります。
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セメント瓦とモニエル瓦、塗り替えを必要とする瓦の最適なメンテナンス方法
セメント瓦は塗り替えが必要で外観のためだけではなく、強度も落ちてしまいます。
一方、粘土瓦は塗装のまったく必要ありませんのでメンテナンスコストを節約できます。
瓦と聞くと地震の際には崩れたり外れて落下するイメージがありますが、「防災瓦」にするとそのデメリットが防げます。
ひとつひとつをビスなどで固定し、瓦同士をかみ合わせているため地震時に落下することがありません。
強風の中でも飛散することがないので被害を防げます。
瓦は重いので地震に弱いのが欠点ですが、防災瓦は軽くできているので約30坪で比較した場合 一般の瓦と比べると400kgほどの軽量にできています。
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瓦の下に雨水が入り込みにくく雨漏りを防げる瓦もあります。
洋瓦は輸入のものもありますが、ほとんどは国内生産です。
日本の気候に合わせて作られているので安心です。
屋根の葺き替えをお考えの方は、お洒落にイメージチェンジできる洋瓦もぜひご検討ください。
洋瓦への葺き替えをご検討されている方はこちらをご覧ください。
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